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ストーリー法(物語法)記憶術とは?
「ストーリー法」と言われる記憶術があります。「物語法」ともいいます。
「ストーリー法(物語法)」とはどういう記憶術かといえば、一言でいえば「覚えたいことをイメージによる物語、ストーリーにして覚えるやり方」になります。
具体的にいいますと、
- 覚えたいことをまずイメージ化する
- 次に別の覚えたいこともイメージ化する
- これらをイメージの中でつなげてストーリー(物語)にして覚えていく
これがストーリー法(物語法)という記憶術の骨子になります。
ストーリー法(物語法)は無意識で行っている
ストーリー法は実のところ日常生活の中で無意識のうちに行っています。どういうことかといえば、たとえば、
「今日は雨が降っているので、傘を持っていく必要があるね。車に気をつけて、水たまりに足を入れないで、歩いていくんだよ」
というアドバイスは、覚えますよね?どうして覚えられるかといえば、
雨⇒傘⇒車⇒水たまり⇒歩く
といった具合に、無意識のうちに頭の中でイメージを描いてストーリーを作っているからですね。しかも自分で意識しないで行っています。
人間は、無意識のうちにイメージを作って物語(エピソード)にしたものをしっかりと覚えています。
これを利用したのが「ストーリー法(物語法)」という記憶術なんですね。
物語法(イメージ法)とは、文字通り、覚える対象をイメージ化して、それらをストーリーに仕立てて覚えていく記憶術になります。
で、ストーリー法は、「文章の丸暗記」や「文章のポイントを覚える」際に役に立つ記憶術です。基本的な記憶術でありながら大変重宝します。
ストーリー法(物語法)には3種類のやり方がある
この「ストーリー法(物語法)」には、3つのやり方があります。
- ストーリーをイメージして覚えるやり方(イメージ型としての使い方)
- 語呂合わせを使うやり方(非イメージ型としての使い方)
- 連想結合法(記憶術の基本)を使うやり方
この3つのやり方です。
以下、それぞれについてご説明してまいります。
ちなみにストーリー法(物語法)は、イメージ型・非イメージ型の両方に対応しているレアな記憶術です。くわしいことは「記憶術の種類(一覧)」をご覧ください。
1.物語をイメージして覚えるストーリー法
で、「物語をイメージして覚えるストーリー法」はシンプルです。覚えたい文章の要点をイメージ化していくやり方になります。
具体的には、次のように行います。
- 覚えるべき文章を、主要な単語・キーワード・文節で分解する
- 分解した単語・キーワードで、イメージのある「物語」を作る
- そのイメージ物語を、連想結合法記憶術で覚えていく
となります。
このやり方では「変換記憶術」の「分解法」と、記憶術の基本である「連想記憶術」の2つを使い、頭の中に物語をイメージングしていきます。
変換法記憶術~変換・分解・置換・外連想の4つのテクニックからなる方法 連想結合法記憶術~イメージで結合する基本テクニック
たとえば憲法の前文を「ストーリーをイメージして覚える」物語法で覚えるやり方を、こちらで紹介しています。
このように文章を映像化(イメージ)しながら覚えるやり方」が、一つ目のストーリー法記憶術になります。
- 特徴・・・文章をイメージ(映像化)しながらストーリーを覚える
- 用途・・・文章のポイントの暗記
物語をイメージにして覚えていくストーリー法のやり方は、もっとも一般的です。
で、吉野邦昭さんの「吉野式記憶術」ではメインの記憶術として使っています。こちらの動画で、吉野邦昭さんは「イメージ型のストーリー法」の使い方を解説しています。
【超必見】誰でもできる記憶術とは?ストーリー法編
シンプルなストーリー法は誰でもできる
ストーリーをイメージしていく物語法は、上記のやり方が一般的です。
けれども実のところ最初にも書いた通りで、「天然自然なイメージ型ストーリー法」を多くの人は行っています。
普通に本を読んでいるときもそうなんですね。自然に頭の中にイメージを描いています。
「ストーリーをイメージして覚える」というのは、実のところ通常の読書でも無意識に行っています。「行っている人」がいるというほうが正確な言い方になると思います。
文章を読む際に、ストーリーをイメージして覚えるというのは、多くの人が無自覚に行っています。
で、このやり方を意識的にして、なおかつ記憶術のテクニックとして「イメージしながら文章を覚える」と仕立てたのがイメージング式の「ストーリー法記憶術」になります。
山口真由「誰でもできるストーリー式記憶法」
この「物語をストーリーにして覚えるシンプルな方法」を独自に工夫をして徹底して使い、人生にも成功しているのが、東大を首席で卒業し、ハーバード大学も卒業し、現在、NY州の弁護士をしている山口真由さんですね。
山口真由さんは「誰でもできるストーリー式記憶法」という記憶術&勉強術の著書も出しています。
山口さんの「ストーリー式記憶法」はまさに「シンプルなストーリー法」。記憶術の基本に合致したワクワク・ドキドキ・ビックリなどの体験や感情を踏まえた「エピソード記憶」がベースにあります。
山口真由さんは、このストーリ法を使って、国・英・数・理・社を覚え、二つの難関大学に合格し、現在に至っているといいます。山口さんのやり方もシンプルなストーリー法ですが、使い方次第でパワフルなテクニックになることがわかりますね。
もっとも山口真由さんは、ご自分では控えめに言っていますが、元々頭脳も優秀で、ものすごい資質を持っていますね^^
しかしながら素質のある人が記憶術を使うと、さらにパワフルとなって、自らの能力を数倍、数十倍にアップさせることを、山口真由さんの成功例は端的に示しています。
山口さんの「物語をストーリーにして覚えるシンプルな方法」は学びが多いと思います。
⇒「ストーリー式記憶術」で 無理せず楽しく覚える
日本史・世界史の流れの暗記に使う
この物語を描くストーリー法は、受験の日本史や世界史では大変役に立ちます。
歴史には「流れ」があります。といいますか歴史には流れが必ずあります。そうした歴史の流れを覚える際にストーリー法が役に立ちます。
歴史のストーリーを覚えていると、短答式試験や論述にも活かすことができます。
なお歴史にストーリー法を使う場合、後述しますが「ユダヤ式記憶術」と一緒に使うとパワフルになります。歴史の暗記では最強の記憶術になります。
ちなみに歴史をストーリー法で覚えることを軸にした「記憶術で歴史を覚える」専用のテキスト(参考書)があります。それが「歴史の記憶術」です。
⇒日本史・世界史をストーリー法で覚える「歴史の記憶術」
このテキストは大変優れていて、ストーリー法記憶術と語呂合わせ、ペグ法といった記憶術を使いながら、通史(歴史の流れ)を1ケ月で覚えてしまうことができる「記憶術で歴史を覚える」ことに特化した参考書です。
大学受験で日本史や世界史の試験がある人や、歴史能力検定を目指している人は「歴史の記憶術」はおすすめです。こちらでレビューしていますので、ご興味のある方はお読みになってください。
ちなみに著者の松平勝男氏は山口真由さんと同様に東京大学を卒業しています。しかも松平氏も「ストーリー法(物語法)」を使用し推奨もしています。
さらにいえば松平氏は、ストーリー法を使う「ユダヤ式記憶術」を考案しています。ユダヤ式記憶術は、後述しますが大変優れた記憶術です。⇒ユダヤ式記憶術
2.語呂合わせを使うストーリー法
二つ目のストーリー法は「語呂合わせを使うやり方」になります。
この方法は文章の暗記ではなく、数字や連続する専門用語を覚える際に役に立ちます。
「語呂合わせ」を使った物語法は、無味乾燥な数字の羅列を覚える際には大変役に立ちます。10桁以下の数字であれば、単なる「語呂合わせ」は「数字変換記憶術」で充分間に合います。
けれども20桁、50桁となる場合や、素数を覚える際には、「語呂合わせ式物語法」記憶術が功を奏します。
「語呂合わせ」では語呂でストーリーを作っていきます。面白いストーリーを考えるのがコツになります。
しかし語呂が作りにくいケースもあって、こうしたときは適切な語呂を考えつくまでが煩雑となります。ここが、この方法の欠点でもあります。
- 特徴・・・「語呂合わせ」にして物語化して覚える
- 用途・・・桁数の多い数字の暗記、連続する専門用語の暗記
円周率の暗記に使う
実は「語呂合わせ式物語法」は有名だったりします。「円周率の暗記」の世界記録です。円周率の暗記では、この物語法が使われています。
円周率といえば、3.141592・・・といった膨大な桁数を暗記するギネス記録もあります。こうした長い数字を暗記する際に物語法を使うことができます。
ちなみに円周率の暗記では、日本人の原口證(はらぐちあきら)さんです。原口さんは「語呂合わせ」による物語法を使って、円周率の10万桁の暗記に成功しています。
なおこの記録はギネスには正式に認められていないといいますが、世界最大であることは確かです。
円周率の暗記は無味乾燥な数字の暗記になりますが、「語呂合わせ」を使った物語法仕立てにすれば、ストーリーを覚える要領で円周率を暗記することができるといいます。
で、いかにして面白い物語を作るかが重要になってくるといいます。原口さんは物語法のスペシャリストといっていいでしょう。
3.連想結合法を使うストーリー法
三つ目のストーリー法は、記憶術の基本である「連想結合法」を使ったやり方になります。
この方法は、文章をイメージ化し、そのイメージを連想結合法でつなげていくやり方になります。文章を丸ごと暗記もできる上、比較的使いやすい方法になります。
ただし下準備が必要になります。
文章をフレーズに分解し、変換記憶術を使って具体的でわかりやすい事物に置き換える必要があります。そうして連想結合法で覚えるようにします。
わりと手間暇がかかりますが、文章の丸暗記ができる点は魅力があります。
- 特徴・・・文章を分解して変換記憶術で置き換えをした後、連想結合法で覚える
- 用途・・・文章の丸暗記、文章のポイントの暗記、法律の条文・判例の暗記など
法律の条文・判例の暗記に使う
このストーリー法は、教科書の丸暗記ができますので、
・重要な文章の丸暗記
・法律の条文の暗記
・法律の判例の暗記
などにも役に立ちます。
ちなみにこのやり方の事例は、こちらの記事で紹介しています。憲法の前文の丸暗記を、この物語法を使って覚えています。
ストーリー法は歴史・法律・文章暗記に強い
以上がストーリー法(物語法)の3つのやり方です。それぞれのやり方には「特徴」と「用途」があります。
ストーリー法(物語法)はシンプルな記憶術のテクニックになりますが、用途は意外とあったりします。応用が効く記憶術です。
ストーリー法は、文章の丸暗記、文章の要点の暗記に役立つことも多く、受験や資格試験の勉強においては知っておきたいテクニックです。学習の効率が高まります。
・日本史・世界史といった歴史
・法律の条文・判例の暗記
・重要な文章の暗記
こうしたケースでは「ストーリー法(物語法)」を活かすことができます。
ストーリー法は場所法と組み合わせる
またストーリー法は、場所法を組み合わせて使うこともできます。
場所法と併用すると、大量のことを覚えることができるようになりますね。
ストーリー法(物語法)には、「イメージでストーリーを覚える」「語呂合わせ」「連想結合法」の3種類のやり方があります。が、目的や用途に応じて使い分けることで、応用を効かせることができるようになります。
知っておいて損はありませんね。
ストーリー法を使うユダヤ式記憶術
ところで受験の歴史や資格試験での勉強においては「ストーリー法」と「ユダヤ式記憶術」を併用した勉強の仕方もあります。で、この手法はおすすめです。やり方は、
- まず「ストーリー法」で歴史の流れを覚える
- 皇帝、王、将軍、天皇、歴史事件の年号を別の記憶術で覚える
- 歴史の出来事、体制、文化、事件などを「ユダヤ式記憶術」で覚える(覚えやすい)
このように「ストーリー法」と「ユダヤ式記憶術」を併用して歴史を覚えていきます。そうすると短時間で多くのことを効率よく、しかも整理しながら覚えることができます。歴史以外にも資格試験の勉強にも活用できます。
「ストーリ法」が受験や資格試験に有効なのは、山口真由さんも実証しています。このストーリー法に加えて「ユダヤ式記憶術」を使うと、さらにパワフルになるということですね。
「ユダヤ式記憶術」のテキストには、物語法をどのように使っていくのかの具体的なやり方を解説しています。ちなみにこの使い方は「ユダヤ式記憶術」にしか掲載されていません。
「ユダヤ式記憶術」は日本史や世界史といった歴史の学習・暗記や、資格試験における暗記には大変強くなっています。「ユダヤ式記憶術」は超おすすめの記憶術です。