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PAOシステムという記憶術とは?
「PAOシステム」という記憶術は、「人(Person)」「動き(Action)」「モノ(Object)」の頭文字を取って命名された記憶術です。原理的にはペグ法と同じです。
ペグ法記憶術(かけくぎ法)~数字(電話番号・歴史年号)の暗記に強い
で、PAOシステムと名付けられている通りで、
- 人(Person)
- 動き(Action)
- モノ(Object)
をセットにして覚えていくやり方です。
で、これらの「人」「動き」「モノ」には、あらかじめ数字(たとえば00~99までの数字)や文字を設定したリストを用意しておきます(これをPAOリストといいます)。
で、このPAOリストに設定されている数字などを、「人」「動き」「モノ」による結合法で覚えていくという記憶術です。
具体例を示すと、たとえば「【モノ】ルービックキューブ(09)の上で【人】鬼束ちひろ(02)が【動き】泣いている(71)」といったように連想結合法(リンク法)を使って覚えていきます。で、09-02-71という数字を覚えてしまうわけですね。
PAOシステムは、数字をスピーディーに覚える際に役立ちます。世界記憶力選手権(メモリースポーツ)では、トランプのカードを素早く覚える際に使われる定番の記憶術テクニックになっているほどです。
またPAOリストに設定するのは数字に限らず、用語や概念も設定できますので、応用が無限であり、資格試験や学校の受験、仕事にも活かすことができます。
PAOリストとは?
で、PAOリストとは、「人(Person)」「動き(Action)」「モノ(Object)」に分類した3種類の変換リストになります。
PAOシステム記憶術では、これら3つのPAOリストをあらかじめ作成しておくことが大切です。またPAOリストをうまく作ることが、PAOシステム記憶術を上手に使いこなす秘訣になります。
で、PAOリストの作成には2つのやり方があります。
- PAO(人・動き・モノ)毎にリストを作成・・・P(人)、A(動き)、O(モノ)毎に3種類のPAOリストを作成する
- PAO(人・動き・モノ)をセットにしてリストを作成・・・P(人)を基準にして、A(動き)・O(モノ)を関連付けてリストを作成する
以下、具体的にPAOリストを作ってご説明します。
1.PAO(人・動き・モノ)毎にリストを作成
最初に、PAO(人・動き・モノ)毎にリストを作成するやり方をご説明します。
①人(Person)のPAOリスト
人(Person)のPAOリストは、たとえば、
00 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 |
サイボーグ009 | 大泉洋 | 鬼束ちひろ | 大沢たかお | 大島優子 | 小栗旬 | 林修 | レオナルド・ダヴィンチ | 大橋彩花 | 奥田民生 |
このように作成します。実際は「99」まで作成します。
②動き(Action)のPAOリスト
動き(Action)のPAOリストは、たとえば、
00 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 |
お礼 | 追いかける | 待つ | お見合い | 教える | 怒る | おろおろ | お縄 | おはよう | お灸 |
このように作成します。同じく「動き」をテーマにして「99」まで作成します。
③モノ(Object)のPAOリスト
モノ(Object)のPAOリストは、たとえば、
00 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 |
オレンジ | アワビ | おにぎり | 御神輿 | おしめ | レゴ | オウム | お腹 | 親指 | ルービックキュ-ブ |
このように作成します。同様に「モノ」に関して「99」までリストを作成します。
2.PAO(人・動き・モノ)をセットにしてリストを作成
PAOリストを個々に作成するのは大変ですので、実際は、PAO(人・動き・モノ)をセットにしてPAOリストを作成することも多々あります。たとえば、
01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | |
P(人) | サイボーグ009 | 大泉洋 | 鬼束ちひろ | 大沢たかお | 小栗旬 | 林修 | レオナルド・ダヴィンチ | 大橋彩花 | 奥田民生 |
A(動き) | 加速装置 | 水曜どうでしょうで旅 | 目眩(めまい) | 戦う(王騎) | 日本沈没する | いまでしょ | 絵を描く | 声を出す | さすらい |
O(モノ) | スーパーガン(銃) | バー | 月光 | 沈黙の艦隊 | 銀魂 | 塾の先生 | モナリザ | アニメ | マシマロ |
このようにP(人)を基準にしてAO(動き・モノ)をリスト化しておくと、関連付けられているためPAOリストそのものを覚えやすくなります。
PAOシステム記憶術のやり方
実際にPAOシステム記憶術を使ったやり方を実例を通してご説明します。PAOリストの作成の仕方毎に事例を紹介します。
PAO毎にリスト作成した場合の覚え方
冒頭でも紹介した事例になりますが、このようにして覚えていきます。
【モノ】ルービックキューブ(09)の上で【人】鬼束ちひろ(02)が【動き】泣いている(71)
はわかりやすい事例になると思います。「モノ」「人」「動き」を連想結合法(リンク法)や「イメージ連結法」で覚えていくわけですね。
PAOをセットにしてリスト作成した場合の覚え方
こちらは「PAOリストをセット」にした場合の覚え方です。
【人】小栗旬(05)が【モノ】モナリザの絵(07)の上で【動き】「いまでしょ」(06)と絶叫している
PAOリストをしっかりと覚えておく必要がありますね。
PAOシステムではリンク法で覚える
いずれにやり方でも、PAOの組み合わせそのものが刺激のあるイメージですので、そのまま記憶術として覚えることができます。
PAOシステムそものものがイメージ型記憶術になっています。
連想結合法記憶術~イメージで結合する基本テクニック イメージ連結法記憶術~誰でもイメージで覚えられる究極の記憶法
PAOシステムはペグ法の改良版
で、PAOシステム記憶術は、冒頭にも書いた通りで「ペグ法」を改良した(発展させた)記憶術です。
ペグ法記憶術(かけくぎ法)~数字(電話番号・歴史年号)の暗記に強い
ペグ法では、あらかじめ「ペグリスト」を用意しておきます。で、数字などをスピーディーに覚えていきます。
PAOシステムもペグ法と同様に「PAOリスト」をあらかじめ用意しておきます。で、数字などをより素早く&効率的に覚えていきます。
PAOシステムとペグ法との違い
ただし、PAOシステムでは、ペグ法と違って「3種類のリスト(PAOリスト)」を用意しておきます。
で、PAOシステムで用意する3種類のリストこそ、
・人(Person)
・動き(Action)
・モノ(Object)
による変換リストになるわけですね。
PAOはメモリースポーツのトランプカード暗記に使用
このようにPAOシステム記憶術は、P(人)A(動き)O(モノ)の組み合わせそのものが、即イメージ型記憶術になっていますので、スピーディーに大量暗記が可能になっています。
ですので、PAOシステムでは、メモリースポーツでが定番の「トランプカード暗記」で使われるわけですね。
そもそもPAOシステムは、トランプのカードを短時間で大量に暗記するために開発されています。PAOシステムはメモリースポーツ向けの記憶術ともいえます。
トランプカードのPAOリスト
トランプカードのPAOリストでは、スペード♠、ハート♥、クラブ♣、ダイヤ♦の4柄ごとに「人」「動き」「モノ」の変換リストを作成しておきます。全部で12リスト(カードの4柄×PAO3種類)、トランプ52枚分になります。
ここではダイヤ♦の柄のPAOリストの事例を紹介します。
スペード♦ | A | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
P(人) | 火拳のエース | 石原裕次郎 | 北島三郎 | つぶやきシロー | 五郎丸歩 | 道場六三郎 | 長嶋茂雄 | たこはっちゃん | 一休さん |
A(動き) | 燃やす | ドラムを叩く | 鼻の穴で呼吸 | つぶやく | スクラムを組む | 料理をする | 球を打つ | 刀で切る | とんち(考える) |
O(モノ) | メラメラの実 | 石原軍団 | マイク | ギター | ラグビーボール | 鉄人 | バット | 魚人 | お寺 |
具体例ではスペードの一部を掲載していますが、実際はトランプカード52枚分をPAOリストにします。
このように下準備をしておくと、パっパっとカードを見ても、数分で多くのカードを覚えてしまうことができるようになります。
PAOシステムのメリット
PAOシステムを使った記憶術のメリットは、多くの数字をスピーディーに暗記することが可能ということですね。
PAOシステムを応用すれば、用語や概念、法律の文章などの暗記にも役に立ちます。
PAOシステムのデメリット
PAOシステム記憶術のデメリットは、なんといっても、PAOリストを作成するのが大変な点です。
使い勝手のよいリストを作成するまでにかなり時間を要することもあります。
また作成したPAOリストを覚える必要もあります。
PAOリストの項目も多いため、リストを覚えるのも大変です。
改良型PAOシステム
PAOシステムは、リスト作成が要となっている記憶術です。ペグ法の発展系ですので、リスト作成に工夫や応用の妙があります。
ところがこのPAOシステムを改良すると、資格試験や学校受験、仕事にも活かすことができるようになります。
改良型PAOシステムでは、PAOリストに「ひねり」があります。「数字」「トランプ」を覚えるための仕様ではありません。
資格試験や学校の受験に使う場合は、数字もさることながら「重要用語」「頻繁に出てくる用語」にしていきます。これがミソです。
法律系の資格試験に役に立つ改良型PAOシステム
たとえば数字ではなく「法律用語」にしておくと、記憶術で条文や法的なルールを覚える際に役に立ちます。
司法試験、司法書士試験、税理士試験、行政書士試験、宅建などなど、およそ法律が関係する資格試験においては、「改良型PAOシステム」は役に立ちます。
いろんな工夫ができますので、各人で工夫をするとよいかと思います。
ちなみに、さらにユダヤ式記憶術を併用すると資格試験や学校の受験勉強の効率が倍増します。
まとめ
PAOシステムとしての記憶術は、トランプや数字を高速に覚えるために、メモリースポーツの世界から誕生した記憶術です。
記憶力世界選手権向けの記憶術ですが、PAOリスト作成に工夫をこらしたり、ユダヤ式記憶術など、ほかの記憶術と組み合わせて使うことで爆発的な記憶術効果を出すことができます。
PAOシステムは、記憶術のテクニックということもできます。ですので基本となる記憶術の習得が何よりも欠かせませんね。
基本的な記憶術としては「イメージ連結法」は必須になります。