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記憶術で宅建業法「35条書面」を覚えるやり方
宅地建物取引士の試験勉強において「記憶術」はおすすめで、短期合格も可能なことはこちらで詳しくご説明しました。
この記事では、宅建でも頻出であり重要な「35条書面(重要事項説明書)」を記憶術を使って覚えるやり方をくわしくご説明します。記憶術を使った宅建試験の覚え方について、事例を通した説明になると思います。
そもそも「35条書面(重要事項説明書)」を覚える場合、一般的に語呂合わせを使って覚えていますね。
「語呂合わせ」もいいんですが、しかし「場所法」を使ったやり方もあります。また場所法を使った覚え方のほうがおすすめになります。といいのは、場所法を使うと正確に覚えやすいからですね。
なお場所法のやり方は、こちらでくわしく解説しています。大事な記憶術になりますので、ぜひお読みになってみてください。
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場所法による「35条書面(建物の売買の記載事項)」の覚え方
では、宅建では頻出分野となっている宅建業法「35条書面」の重要事項説明のうち、「建物の売買の記載事項」を場所法を使って覚えてみましょう。
ちなみに「35条書面」は、売買・交換(宅地、建物)、賃借(宅地、建物)の4パターンになりますが、覚える項目が最も多い「建物の売買(交換)」を事例とします。
場所法を使うための下準備
まず場所法で覚えようとする場合、
- 覚えたいことを入れる「記憶の宮殿」の準備
- 建物の売買に関する重要事項説明(35条書面)のポイントを整理
- そのポイントをイメージ化して記憶の宮殿と絡めて覚える
といった下準備(手順)が必要になります。
この下準備(手順)は、どういったことであっても、場所法を使う場合は必須のステップになります。
「記憶の宮殿」を用意する
まず場所法では「覚えたいことをイメージ化」して「記憶の宮殿」に配置して(入れて)いきます。
で、事例では、こちらの「記憶の宮殿」を使います。
ご覧の通りですね。①~⑮が「記憶の宮殿」になります。この記憶の宮殿に、覚えたいことを「イメージ化」しながら結びつけて覚えていくわけですね。
35条書面のポイントを整理する
次に「35条書面・重要事項説明」のポイントを整理します。以下の通りになります。
- 登記された権利
- 法令に基づく制限
- 私道負担に関する制限
- 飲料水、電気、ガスなどの整備状況
- 国土交通省令、内閣府令で定める事項
- 【未完成物件の場合】工事完了時の形状・構造
- 【既存の建物の場合】建物状況調査(インスペクション)、1年以内の調査の有無
- 代金・交換差額金以外に授受される金額および目的
- 損害賠償の予定または違約金
- 契約の解除
- 支払金・預り金を受領する場合の保全措置の有無・概要
- 契約不適合責任の補償保険契約等の措置の有無・概要
- 割賦の場合、現金価格・割賦価格・頭金の額・支払い時期
- 手付金等の保全措置
- ローンのあっせんの内容およびローン不成立の場合の措置
覚えたいことを「イメージ化」して「記憶の宮殿」と絡めて覚える
ポイントを整理したなら、そのポイントを「イメージ化」しながら記憶の宮殿と絡めて覚えていきます。このイメージング作業が記憶術(場所法)になります。
ちなみに「ポイント」「イメージ化」「記憶の宮殿」を一覧にすると、こちらの通りになります。※画面を横にスクロールして見てください。
建物の状況・取引条件等 | 覚えたいことのイメージ化 | 記憶の宮殿 | |
1 | 登記された権利 | 陶器(登記)を投げつける | ①ドア |
2 | 法令に基づく制限 | ほうれい線のある顔(法令) | ②イス |
3 | 私道負担に関する制限 | 「私の道」(私道)と威張っている人 | ③テーブル |
4 | 飲料水、電気、ガス などの整備状況 |
ガスで水を沸かして吹きこぼれている (飲料水、電気、ガス) |
④台所 |
5 | 国土交通省令、内閣府令 で定める事項 |
日本列島(国土)がニョキニョキ出てきて、 そこに国会議事堂(内閣府令)が屋根になっている 車が走っている(国土交通省令) |
⑤ガスレンジ |
6 | 【未完成物件の場合】 工事完了時の形状・構造 |
建物があって、その建物に「みかん」(未完成物件)が ぶつかって、そのみかんが作業員にぶつかって 「工事完了」と敬礼している作業員がいる |
⑥冷蔵庫 |
7 | 【既存の建物の場合】 建物状況調査(インスペクション) 1年以内の調査の有無 |
一本の棒(1年)が突き刺さっている建物があって、 その建物を調査している人がいる |
⑦収納棚 |
8 | 代金・交換差額金以外に 授受される金額および目的 |
お金をバンバン支払う(代金) 好感触な人(交換)が飛び出した |
⑧絵画 |
9 | 損害賠償の予定または違約金 | 薬を飲んでラリっている人が(医薬品→違約金) 車をぶつけている(損害賠償) |
⑨ソファー |
10 | 契約の解除 | 契約書をビリビリに破る(契約書の解除) | ⑩テーブル |
11 | 支払金・預り金を受領する 場合の保全措置の有無・概要 |
冷蔵庫(保冷→保全措置)が銀行で お金のやり取りをしている(支払い、預かり)をしている |
⑪窓 |
12 | 契約不適合責任の補償保険契約等 の措置の有無・概要 |
「契約が違うじゃないか!責任者を呼んでこい!」 と怒っている人(契約不適合責任)に、 和尚が保険外交員をしている(補償保険契約) |
⑫カーテン |
13 | 割賦の場合、現金価格・割賦価格 ・頭金の額・支払い時期 |
頭(頭金)の付いた奇妙な現金を分割(割賦) して支払っている人 |
⑬窓 |
14 | 手付金等の保全措置 | 手が生えていて現金(手付金)と冷 蔵庫(保冷→保全措置)がぶら下がっている |
⑭観葉植物 |
15 | ローンのあっせんの内容 およびローン不成立の場合の措置 |
麻雀をしている人が「ロン(ローン)」 といって役満上がりしている |
⑮リビング |
ちなみに、
- 左の列・・・・35条書面のポイント
- 真ん中の列・・・覚えたいポイントをイメージ化
- 右の列・・・記憶の宮殿
となっています。
場所法を使った35条書面・重要事項説明の覚え方
ここで、「35条書面・重要事項説明」の覚え方の一例を、具体的なやり方でご説明します。
やり方は、
- 覚えたいポイントをイメージ化
- ①~⑮の記憶の宮殿
この2つを「イメージ」で結びつけていきます。
具体的に、どう行うかといえば、たとえばこのように行います。
- 「ドア」に、陶器を投げつける(ガシャーン!)
- 「イス」から、ほうれい線のある顔が生えてきている(こわー)
- 「テーブル」の上で、「私の道」と威張っている人がいる
- 「台所」で、何故かガスで水を沸かして吹きこぼれている
- 「ガスレンジ」から日本列島がニョキニョキ出てきて、そこに国会議事堂が屋根になっている車が走っている
- 「冷蔵庫」の上に、建物があって、その建物に「みかん」がぶつかって、そのみかんが作業員にぶつかって「工事完了」と敬礼している作業員がいる
- 「収納棚」に、一本の棒(1年)が突き刺さっている建物があって、その建物を調査している人がいる
- 「絵画」から、お金をバンバン支払う好感触な人が飛び出した
- 「ソファー」の上で、薬を飲んでラリっている人が車をぶつけている
- 「テーブル」の上で、契約書をビリビリに破る
- 「窓」の近くで、冷蔵庫が銀行でお金のやり取りをしている
- 「カーテン」で、「契約が違うじゃないか!責任者を呼んでこい!」と怒っている人に、和尚が保険外交員をしている
- 「窓」の向こうで、頭の付いた奇妙な現金を分割して支払っている人がいる
- 「観葉植物」に、手が生えていて現金と冷蔵庫がぶら下がっている
- 「リビング」で、麻雀をしている人が「ロン」といって役満上がりしている
これは一例ですが、このようにして「イメージ化」して覚えていきます。
これで「35条書面・重要事項説明」を場所法で覚えることができます。
宅建の暗記なら記憶術
上記のやり方は、あくまで一例です。実際は、自分が覚えやすいイメージにしていきます。
このように、覚えたいことをイメージ化して、記憶の宮殿と結びつけてイメージで覚えていく記憶術を「場所法」といいます。
宅建では場所法をはじめ各種の記憶術を活用することができます。
なお、もし場所法のやり方が今ひとつわからなければ、「場所法」記事を参照してください。
それと、資格試験に特化した「場所法」を教えている教材で「宮口式記憶術」というのがあります。大学受験や資格試験合格に特化した記憶術です。若干、古い教材になりますが、中身は今でも活用することができます。資格試験向けの場所法を使ってみたい方がご覧ください。
語呂合わせによる「35条書面」の覚え方
ちなみに語呂合わせで「35条書面(重要事項説明・建物の売買の記載事項)」を覚えるやり方もありますね。
結構、有名な「語呂合わせ」のようですが、
「東方神起が全国でみかん調査、前回の入賞以外はテロップ不要」
というのがあります。
- 東・・・登記(とう)
- 方・・・法令上(ほう)
- 神・・・私道(し)
- 起・・・電気(き)
- 全国の・・・国土交通省令(こく)
- みかん・・・未完成物件(みかん)
- 調査・・・建物状況調査(ちょうさ)
- 前・・・保全措置(ぜん)
- 回・・・解除(かい)
- 入賞・・・損害賠償(しょう)
- 以外・・・以外(いがい)
- テ・・・手付金の(て)
- ロ・・・ローン(ロ)
- プ・・・割賦(ぷ)
- 不要・・・契約不適合責任の補償保険契約不要
これもまた大変秀逸な覚え方ですね。
ただ「1~2文字」を頼りにして、項目を思い出す方法です。
なので「語呂合わせ」を何度も繰り返して唱えて、思い出す練習が必要になります。ちょっと時間を空けてしまうと、語呂は覚えていても、その内容がうろ覚えになってしまうことも起き得ます。
これが語呂合わせの欠点でもあります。
その点、場所法は「忘れにくい」という特徴があります。しかも細かいところまで覚えていられます。
ちなみに厳密にいいますと、「35条書面」で使っている記憶術は「語呂合わせ」ではなく、「頭文字法」といわれるやり方になります。
35条書面の覚え方の違い
いかがでしょうか?宅建でも頻出かつ重要事項である「35条書面(重要事項説明・建物の売買の記載事項)」を場所法を使って覚えてみました。
「語呂合わせ」のやり方を比べると、その違いもわかるかと思います。
「場所法」は「語呂合わせ」とは違って、
- 長期記憶になる
- 細かいところまで覚えていられる
- 順番通りでなくても思い出すことができる
- 後から覚えたいことを付け加えることができる
- 宅建の実務にも活かせる(細かいところまで覚えていられるので)
といった特徴があります。
こうした特徴がありますので、場所法は「最強の記憶術」と言われ、また「資格試験や受験勉強には重宝する」と言われているんですね。
「宅建の実務に活かせる」というのも魅力があると思います。
宅建試験では記憶術が効果的
もっとも宅建の「35条書面」に限っていえば、「場所法」の確かさを好む人と、「語呂合わせ」の手っ取り早さを好む人といった具合に、得手不得手・好き嫌いが分かれることもあります。
実際、記憶術では、覚える事柄によって記憶術を使い分けます。これが記憶術を使いこなすコツにもなっています。
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