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場所法の知られざる7つの欠点
場所法。
「世界最強記憶術 場所法」といわれているくらい記憶術では王道かつ最高峰の記憶術になります。
しかし、そんな世界最高峰の記憶術といわれている「場所法」には、知られざる7つの欠点もあります。
それはザックリいいますと、
- 記憶の宮殿を作り続けなければならない(記憶の宮殿作りが大変)
- 使いやすい記憶の宮殿にしなければならない
- 知識同士の関係性の暗記は不得手
- 理解をともないながらの記憶ができないか不得手
- キーワード・用語の暗記向き(無闇に用語を覚えるだけになりがち)
- 受験・資格試験に必ずしも適しているとは言えない(意味や論理性の暗記が不得手かできない)
- イメージを描くことが苦手な人は使用が困難
といった7つの問題点です。
欠点ですね。
こうしたことは、実際に記憶術を使いこなした人でなければわからないことですが、以下に場所法の欠点についてご説明します。
欠点1:記憶の宮殿を作り続けなければならない
場所法の欠点の一つ目は、まず「記憶の宮殿を作り続けなければならない」という問題です。
場所法では、一つの知識の体系を覚える際に、「記憶の宮殿(メモリーパレス)」を使います。が、知識が増えるにしたがって「記憶の宮殿」も増やしていく必要がでてきます。
つまり場所法では、新しく何かを覚えるときに「記憶の宮殿」を新たに作っていく必要があるということですね。
で、科目数や覚えることが多くなるに従って、必要な「記憶の宮殿」の数も多くなり、これに比例して「記憶の宮殿」を作り続けるラットレースに陥るようになります。
で、実は、この作業が結構、大変です。
覚えるべきことが増えるにしたがい「記憶の宮殿」を新設していく必要がある。
しかも「記憶の宮殿」は、ただ作ればいいってものではありません。暗記しやすいように整える必要があります。
いわばこの「記憶の宮殿」の量産が、しんどくなってきます。
次の欠点と重なりますが、「記憶の宮殿」は、使いやすいように下準備する必要もあります。
欠点2:使いやすい記憶の宮殿にしなければならない
場所法の二つ目の欠点は、「使いやすい記憶の宮殿にしなければならない」という問題です。
先ほどの「記憶の宮殿を作り続けなければならない」と関係がありますが、記憶の宮殿は、使い勝手がよくなるように設定・設計する必要があります。
つまり、部屋の中にある「どこを」「どれを」記憶の宮殿(場所)にするのかといった決定です。
部屋の中にある諸々を、手当たり次第に「記憶の場」としても、いざ覚えようとしても混乱してしまうことが出てきます。
したがって、場所法を使ってスムースに覚えることができるための「下準備(使用する「記憶の宮殿」の検討)」が必要になります。
このことが、先ほどの「記憶の宮殿」を作り続けることと関係すると、結構、手間暇や時間がかかる作業となってしまいます。
場所法には、「記憶の宮殿」を新しく作る場合、悩ましげな問題が出てきます。
欠点3:知識同士の関係性の暗記は不得手
あと場所法の三つ目の欠点として、「知識同士の関係性の暗記は不得手」というのがあります。
そもそも場所法は、抽象的なことや専門用語を覚える際、「変換法」を使って具体的な物事に置き換えます。
で、変換法で置き換えた時点で、オリジナルのニュアンスはデフォルメされてしまいます。ザックリとした意味になってしまいます。
知識がデフォルメされてしまう。
が、場所法では、変換法を用いて具体的な物事に置き換えることで、覚えやすくなるわけですね。
けれども、この変換・置き換えによって、元の情報が持つニュアンスが曖昧になってしまうこともあります。その結果、知識同士の関係性(たとえば因果関係)も曖昧になってしまうこともでてきます。
こうしたこともあって、場所法では、知識同士の「関係性」を覚えることが不得手か、あるいはやりにくくなります。
欠点4:理解をともなう記憶ができない
このことと関係しますが、場所法の四つ目の欠点に、「場所法は、理解をともないながらの記憶ができないか不得手」というのもあります。
そもそも「理解」には、知識同士の関係性が根底にあります。具体的にいえば、知識同士には、
・順番
・原因と結果の関係
・前提条件の有無
・時系列の関係、
・前後関係
・対立関係
・均衡関係
・発展関係
といった論理性(ロジック)があります。このロジックがわかることで「理解」ができるわけですね。
しかしながら場所法では、抽象的な知識や専門用語をいったん具体的な事物に変換しますので、元々の知識同士の関係性が曖昧になってしまいがちです。
その結果、知識同士の論理関係(ロジック)もまた曖昧になり、なんとなく言葉だけを覚えているといったことになることもあります。
別の言い方をすれば、覚えた知識をつなげた「ストーリー」がわかりにくくなる。単なる「キーワード」「用語」の暗記になってしまいがち。
これが場所法が持つ最大の欠点にもなります。
欠点5:場所法はキーワード・用語の暗記向き
場所法の五つ目の欠点は、「場所法はキーワード・用語の暗記向き(単純に用語・キーワードを覚えるだけになりがち)」というのがあります。
このことは欠点3・欠点4と関係します。
場所法はとにかく「キーワード」「用語」を暗記することに専念します。場所法とは、いわば「キーワード」「用語」を機械的に暗記するのが得意な記憶術です。シモニデスのやり方が、まさにそうでしたからね。
だから場所法で暗記しても、「キーワード」「用語」同士の理解、因果関係・論理・物語・意味・文章化・説明化は困難になるか、できなくなるんですね。正確にいえばできにくくなります。
結局、「知識同士の関係性を覚えることができない」ことは、「理解できていない」ということになります。で、こうした記憶は「機械的な暗記」「単純記憶」になります。
つまり単にキーワードや用語、知識を覚えるだけになってしまうということですね。
いえいえ知識が膨大にあることは、それはそれですごいことです。
けれども、それでは、実際に活かしたり、応用することはできなくなるってことなんですね。で、このことが「試験」という世界においては足かせになってしまいます。
で、次の欠点6となっていくわけです。
欠点6:受験・資格試験に適していない
場所法の六つ目の欠点は、「受験・資格試験に必ずしも適しているとは言えない(意味や論理性の暗記が不得手かできない)」ということになります。
このことは先ほどの欠点5(欠点、欠点5)と関連しています。
知識だけの暗記では、理解をともなった試験への対応ができません。長文の選択肢の中から回答を選ぶ「選択試験」では、スピーディーに対応できなくなることも起き得ます。
これでは大学受験などの受験や資格試験に、必ずしも適しているとは言えなくなるんですね。場所法の持つこの欠点は、意外と知られていません。
場所法は、大道芸人のように瞬間的に大量に記憶することはできます。しかし受験や資格試験に向いているとは限りません。といいますか向いていないジャンルがあります。
何故、こうなってしまうかといえば、キーワードや用語の暗記はできても、それらを結びつけたときの意味や因果関係、論理関係といった物語は暗記できないか不得手だからです。
つまり場所法は、意味の無いキーワードや用語を機械的に覚えるタイプの記憶術ということになります。
「キーワード」「用語」をどれくらい覚えているのか?といった試験には役に立ちますが、記述や筆記試験には役に立ちにくくなります。
しかも試験では時間制限があります。問題文の意味を理解する選択問題の試験に、場所法で覚えたことは適応しにくくなります。
ですので場所法は必ずしも受験や資格試験には向いているとは言えないということになるんですね。
欠点7:イメージを描くことが苦手な人は使えない
場所法の七つ目の欠点は、「イメージを描くことが苦手な人は使用が困難」というのがあります。
このことはよく言われることですね。場所法はすごい記憶術だけれども、イメージを頭の中で描くことが苦手かできない人は、使うことができないと。
確かに、これはあります。
もっとも解決策もあります。それはトレーニングをすることですね。こちらに場所法が難しい・できないといった方のための改善策を示した記事がありますので、ご覧になってください。
場所法が上達するトレーニング・練習はこうやる 場所法はできない?難しい?使えない?~4つの原因分析と解決策 試験対策なら「宮口式記憶術」~効果がありすぎて著者も公開をためらう記憶術
場所法の7つの欠点を改善する方法
このように場所法には、
- 記憶の宮殿を作り続けなければならない
- 使いやすい記憶の宮殿にしなければならない
- 知識同士の関係性の暗記は不得手
- 理解をともないながらの記憶ができないか不得手
- キーワード・用語の暗記向き(無闇に用語を覚えるだけになりがち)
- 受験・資格試験に必ずしも適しているとは言えない(意味や論理性の暗記が不得手かできない)
- イメージを描くことが苦手な人は使用が困難
といった問題があります。しかしこれら7つの欠点を改善する方法はあります。記憶の宮殿の問題は、たとえばこちらの方法で改善できます。
けれども場所法の欠点を改善しないで、これら7つの欠点の全て解決できてしまうシンプルな方法があります。
それが「生命の樹(いのちのき)」の図式を使うやり方です。
場所法と併用したい生命の樹
「生命の樹」は「ユダヤ式記憶術」と言われる記憶術で使われているテンプレートです。
ユダヤ式記憶術を徹底解説【レビュー・ネタバレ】~実際に購入したから言えること
ユダヤ式記憶術は「生命の樹」を使って覚えていく記憶術になります。
「ユダヤ式記憶術」の最大の特徴は、場所法の欠点をすべてカバーしている点にあります。すなわち、
- 記憶の宮殿は一つだけで足りる
- 使いやすい記憶の宮殿の工夫は不要
- 知識同士の関係性の暗記が得意
- 理解しながらの記憶が得意
- キーワード・用語は関係性を持って覚える
- 受験や資格試験で重宝する
- 覚えるものをイメージ化しなくても使える
といった特徴です。場所法の欠点をすべてカバーしています。
最大のメリットは知識同士の関係性(論理関係など)を覚えるのが得意ということです。
これは場所法では難しいことです。しかし「生命の樹」では、これを最も得意とします。
場所法を使いこなすコツ
結局、記憶術には、それぞれ得意分野と不得意分野があるということになります。
場所法は優れた記憶術です。しかし苦手とする分野もあるということですね。
ですので「生命の樹」と併用して、お互いが得意とする記憶の分野を担いながら、上手に使い分けていくことが賢いやり方になります。これこそが場所法を使うコツにもなります。
「生命の樹」を使った「ユダヤ式記憶術」はおすすめです。
「ユダヤ式記憶術」には12種類の特典を付けています。場所法の欠点を改めた「場所法2.0」のアイディアや、「生命の樹」と組み合わせた「場所法3.0」のアイディアも特典マニュアルとしてお付けしています。
ユダヤ式記憶術のオリジナル特典~ユダヤ式の理解&記憶術に役立つ12本の有料級特典付き!
ユダヤ式記憶術は、記憶術の中でも特異かつレアな記憶術になりますが、知っておくと一生使えるテクニックです。
しかも場所法の欠点をカバーした記憶術です。おすすめできる現代記憶術になります。
欠点が分かりやすく理解出来ました、ありがとう。
記憶が困難な発達障害の高校生の相談を受けており、その子の役に立てばと場所法の説明から読み始め、ここにたどり着きました。
どの記事も分かりやすく、場所法を実際に試してその効果も実感できました。
Sherlock で見たときは想像上のアイディアかと思っていましたが、面白いものですね。
一つ疑問があります。それは場所法で外国語の語彙を記憶することについてです。(その子が一番困っているところです。)
私自身が未知の外国語で試してみたところ、記憶対象語の『意味のイメージ』は場所法で確実に呼び起こせましたが、肝心の外国語の単語の発音や綴りを思い出すことが出来ません。
場所方はアイテム(A,B,C…)を特定の順序で思い出すには非常に役に立つと思いますが、A=あ、B=い、C=う…の様に各アイテムを何かと対応させて記憶するのには向いていないのでしょうか。
元々、一つの場所に置くのは一つのイメージなのですから、「言葉とその意味」のような二つのものを一箇所に置くこと自体が無理なのでしょうか?
上に書かれている「欠点3:知識同士の関係性の暗記は不得手」と関係があるのかな?と思ったので、こちらに書き込みさせてもらいました。お考えを聞かせて頂けたらうれしいです。
はじめまして。記事をお読みいただき、また「分かりやすい」との感想をありがとうございます。そのように言っていただきますと励みになります。
それで一般的に、英単語などを覚える場合は、こちらの記事で紹介している方法が使われています。
https://www.kiokuanki.com/sikumi/kiokueitango.html
接頭語・接尾語に分解する、だじゃれ、語呂合わせ、その他のテクニックを使って、単語を覚えるようにしています。
場所法を使って外国語の単語を覚える場合は、上記のテクニックを併用すると覚えやすくなるかもしれません。
たとえば「接頭語+ダジャレ」をイメージしながら、意味をイメージしたものを「記憶の宮殿」に絡めて覚えるやり方もあります。
なお「欠点3:知識同士の関係性の暗記は不得手」とは、原因と結果、因果関係といった論述的な使い方をする場合、場所法では不得手になるという意味になります。
以上ご参考になればと思います。
早速の返信ありがとうございます。
はい。記憶術について書かれたサイトは他にも多数目を通しましたが、こちらでの説明が一番具体的で情報量も多く大変分かりやすかったです。
Memory League サイトの情報もありがたかったです。そちらのフォーラムも大変活発で参考になりました。training は楽しくて今自分がハマっています。
接頭辞接尾辞や語源等も実はすでに導入しているのですが、その子の場合それらの情報を一旦は理解はできても結びつけて記憶に残すことが難しい、例えば「dis- = 否定」といったシンプルな意味をその時は理解しても次に出会った時に自力では思い出すことが出来ません。
言語の様な「ランダムな音」と「意味」の組み合わせは特に覚えるのが困難な様です。
> だじゃれ、語呂合わせ、その他のテクニックを使って、単語を覚えるようにしています。
と言うことは、場所法で語彙を記憶するには、分解や語源で説明のつかないものには語呂合わせが必ず必要。その語呂合わせのイメージ、つまり単語のおおまかな音と意味が一体化した一つのイメージ(ご紹介の吉野邦昭氏の著書での「絵コンテ」)を各場所に置いていくと言う理解で合っていますでしょうか?
すでに存在している語呂合わせの力を借りたとしても、これはかなり時間と労力がかかりますね…。また、綴りを覚えるのにさらに別の努力が必要になりそうな気がしますが、どうなのでしょうか。
何かこの子のケースに使えそうな方法がありましたら、またどうぞお知恵をお貸し下さい。
とりあえずお礼まで!
場所法と併用して、だじゃれ、語呂合わせ、その他のテクニックを使って単語を覚えるテクニックの理解は、
単語のおおまかな音と意味が一体化した一つのイメージ(ご紹介の吉野邦昭氏の著書での「絵コンテ」)を各場所に置いていくと言う理解
これで合っています。
それでご指摘の通り、結構大変ですので、場所法は使わずに、シンプルにだじゃれ、語呂合わせを使って単語を覚えるのが一般的だと思います。
記憶術はアイディア次第で様々な使い方ができます。
ご参考になればと思います。
> それでご指摘の通り、結構大変ですので、場所法は使わずに、シンプルにだじゃれ、語呂合わせを使って単語を覚えるのが一般的だと思います。
なるほど。この辺りがmemory leagueのフォーラム等を読んでも不明で、もやもやしていましたがこれでハッキリしました。ご教示ありがとうございます。
だとするとやはりこの子が単語を覚える助けにはならないかも知れませんね。
ただ、「記憶力はトレーニングすることで伸びるのだ」と言う実感を掴んでもらうためはとても良い様な気がしています。その実感が今後のやる気につながれば、と。
場所法、私自身はこれがきっかけになって結構実生活で活用しています。
本当に便利ですよね!
記事と親切なコメントに改めてお礼申し上げます。